ストレスへの対応

認知療法(ゆがみの定義)

1、全か無か思考

ものごとを白か黒かのどちらかで考える思考法。少しでもミスがあると、完全な失敗と考えてしまう思考。例えば、いつもAをとっているのにBをとってしまうと「完全にだめだ」となったり、とるに足らない小さな失敗をしても「自分は完全な失敗者で価値がない」と思ってしまう。したがって、ちょっとしたミスでも恐れてしまう。

2、一般化し過ぎ

たったひとつよくない出来事があると「世の中すべてこれだ」、「いつも決まってそうである」、「うまくいった試しがない」などと考える。あるいは嫌な出来事が1度起こったとすると、それが何度も繰り返し起こるように感じてしまい、とても不快なことが起こるように感じて、すっかり憂鬱になってしまう。したがって傷つくことを極度に恐れるあまり、逆にいつもそうなんだと自分に言い聞かせ続けることになる。

3、心のフィルター

たったひとつのよくないことにこだわり、そればかりクヨクヨ考え、現実を見る目が暗くなってしまう。ちょうどたった1滴のインクがコップ全体の水を黒くしてしまうように。例えば、試験で100問中、17問、間違えた学生がそればかり考えて「落第してしまうに違いない」と考える。実際は83問正解で評価はAだが。世の中のポジティブなこと、明るいことを見えなくしてしまう。意識に上ってくることは何もかもネガティブなことばかりになる。本人はこのようなフィルターがかかっていることに気づかず「世の中真っ暗」と感じている。

4、マイナス思考

なぜか、よい出来事を無視してしまったり、なんでもないことやよい出来事を悪いできごとにすり替えてしまうので、日々の生活がすべてマイナスになってしまう。単によいことを無視するだけでなく、正反対の悪いことに替えてしまう。お世辞に対する反応は謙遜であるが、それ以上に人から言われた褒め言葉や他のよいことを無視する。

5、根拠の飛躍

根拠もないのに事実と違った悲観的な結論を一足飛びに出してしまう。これには「心の読みすぎ」と「先読みの誤り」の2つのパターンがある。

・心の読みすぎ

ある人があなたに悪く反応したと早合点してしまう。たとえば、居眠り学生(前日まで馬鹿騒ぎ)を「自分の授業を退屈がっている」、「挨拶をしなかった友人(考え事をしていた)を「もう嫌われてしまった」と考えてしまう。

・先読みの誤り

事態は確実に悪くなると、決めつけてしまう。例えば、友人に電話をかけ、不在のためもどり次第、伝言を頼むが電話がこないという状況を「もう嫌われてしまった」(心の読みすぎ⇒実際は伝言が伝わっていない)、「もう一度、電話をかけたりすれば、ますます嫌われる」と考えてしまう。

6、拡大解釈と過小評価

自分の失敗を過大に考え、長所を過小評価する。逆に、他人の成功を過大評価し、他人の欠点を見逃す。「双眼鏡のトリック」とも言う。

7、感情的決めつけ

自分の憂うつな感情は現実をリアルに反映していると考える。「こう感じるんだから、それは本当のことだ」、「私はダメな人間のように感じる、それが何よりの証拠だ」、「私は罪の意識を感じる、だから悪いことをしたに違いない」、「もうなんの希望もないように感じる、だから、私の今の問題は全く解決不能だ」、「自分がずれているように感じる、だから全然価値のない人間だ」など、マイナス面ばかり感じるので、事態はすべてマイナスだと思ってしまう。

8、すべき思考

何かをやろうとする時、「?すべき」、「?すべきではない」と考える。あたかもそうしないと罰でも受けるかのように感じ、罪の意識を持ちやすい。他人にこれを向けると、怒りや葛藤を感じる。

9、レッテル貼り

極端な形の「一般化のし過ぎ」である。ミスを犯した時に、どうミスを犯したかを考えるかわりに、自分にレッテルを貼ってしまう。「自分は落伍者(敗北者、ダメ人間)だ」。また、他人が自分の神経を逆なでした時には、逆の評価(レッテル貼り)を相手に与えてしまい思わぬ相手の怒り、自己嫌悪を誘発する。自分に対しても他者に対してもそのレッテルは感情的で偏見に満ちている。

10、個人化

何かよくないことが起こった時、自分に責任がない場合にも、自分のせいにしてしまう、罪の意識のもとになる考え方。例えば、子供の成績が悪かったのを「これは私の責任だ。ダメな母親だ」と考える。

認知療法はうつ病の精神療法としてベックが提唱し、アメリカで発展しました。うつ病に限らず、ステレスの多い現代社会では、有用な考え方です。

認知とはある瞬間のものの捉え方ですが、ストレスの多い環境では、マイナスに向かいやすく、合理的な判断ができなくなります。こうした時、いつくかの思考パターン(認知のゆがみ)になっています。この思考パターンを自覚し、ちょっとした修正を加えることで、前向きになり、自信が回復します。

認知療法(ゆがみの定義)

自律訓練法は自律神経失調症などの治療に使われる心身をリラックスさせるためのセルフコントロール法です。

<特長>

1、身体の生理的変化を強調し、筋肉の緊張をやわらげ、皮膚温度を上昇させる

2、段階的に練習することで、心身を一定の方向に進めていく(技法の体系化)

<準備>

1、環境づくり

・静かでやや暗く、ほどよい広さと室温であること。

・ネクタイや腕時計など、身体を締め付けるようなものは、はずす。

・途中で空腹や尿、便意などができるだけ起こらないようにする。

2、姿勢は安定したリラックスしやすい姿勢をとる

・深く腰掛ける。

・両脚は肩幅程度に開。く

・膝を楽にするために、足は少し前に出す。

・手を開いて、膝の上に自然に置く。

・深呼吸しながら肩の力を抜。く

・首は、やや前かがみになるようにする。

・口の力を抜く。

・目を閉じる。

*他に仰臥姿勢(ベッドに寝た姿勢)や安楽椅子に座った姿勢をとることもある。

<公式言語>

7つの標準公式があり、すべての人に共通の自己暗示の言葉によって行う。

<受動的態度(自律訓練法の原則)>

・意識的な努力をしない。

・さりげなく注意を向けること。

・あるがままに受け入れること。

<標準公式>

1、背景公式(安静練習)

「気持ちが(とても)落ち着いている」

2、第一公式(重感練習)

「両腕、両足が重たい」

3、第二公式(温感練習)

「両腕、両足が温かい」

4、第三公式(心臓調整)

「心臓が静かに規則正しく打っている」

5、第四公式(呼吸調整)

「楽に呼吸をしている」

6、第五公式(腹部温感練習、頭寒足熱)

「額が気持ちよく(さわやかに)涼しい」

<消去動作(解除動作)>

全体的に意識水準が低下し、筋肉の緩和した状態を日常レベルの水準、生理的水準(筋肉の緊張)に戻す動作。それぞれの段階ごとに行う。

<所要時間と回数>

1、1回に3〜5分

2、1日に2回以上

3、毎日続ける

<自律訓練法の効果>

1、蓄積疲労の回復

2、イライラ、不安、不眠、肩こりの解消

3、自己統制力の強化

4、仕事、勉強の能率向上

5、心身の苦痛の緩和

6、向上心が増す